短期前払費用の特例に係る留意点:経理処理変更に係る合理的な理由
2021/10/15
短期前払費用の特例(法基通2-2-14)とは、法人が支払う前払費用のうち、支払日から1年以内に受ける役務提供に係る費用について、一定の適用要件を充足することで支払日の属する事業年度に一括して損金算入できるものです。
同特例は、利益調整を目的とした適用は認められないことになっており、その要件として「継続要件」の充足が求められています。しかし、過去の裁決事例では、同特例の適用事業年度後の事業年度で、継続適用していたにもかかわらず、継続要件を満たしていないと判断された事例もあります。そこでのポイントは、同特例の適用事業年度前の事業年度の経理処理を変更した「合理的な理由」があるか否かとなっています。ここでの合理的な理由とは、例えば契約に基づいた支払方法の変更などが挙げられています。同特例の適用に伴い経理処理を変更する場合には、税務調査でのトラブルを避けるため、取引の相手方との協議により支払方法を変更し、疎明資料等を残しておく必要があります。
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